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① ファミリアセダンGT

Familia 愛車遍歴を辿るというのは、その時どきの流行やオーナーの嗜好を
ダイレクトに反映するから面白い。例えば、オートザムクレフに乗って
いた人が突然フォレスターSTi バージョンに乗り換えたり、コンチェル
トから180SXに替わったりして、何か大きなことがこの人の身に起こ
ったのか?と思わせたりすることがある。

大概の場合は、収入増とか家族構成の変化によるものなのだろうけれど、これを
自分に当てはめてみるとどうか?

自分の初めての愛車はファミリアセダンGT(5MT)だった。仕事で大いに使う
ので、とにかく走らせるのに退屈しないように考えた末の選択だった。2リッター
ターボ車なぞ、まだまだ分不相応であったし、また興味もそれほどなかった。
1.6リッターの同クラスではレビン・トレノ、シビック、ミラージュ、ランサーなどが
現在では考えられないくらい売れていた。バブルもはじけていなかったし、マーク
Ⅱやセフィーロ、ローレルも売れていた時代である。

そのファミリア、まぁまぁであった。なにぶん営業車なので派手にいじる訳には
いかなかったが、ホイールはワタナベを履かせた。ガンメタの4ドアボディに
黒いホイールのいでたちは、やたら迫力だけはあって、速そうに見えたらしい。
あくまで「見えただけ」なのだが、控えめなウイング型のリアスポイラーが気に
入っていた。

走り自体は軽快そのもので、ローギアードなミッションと相まって市街地を走るには
適していた。ただし、高速を走ると時速100キロで5速3600回転/分だから、やたら
ウルサかったのを覚えている。

内装のデザインはシンプルで気に入っていたのだが、当時のマツダの安っぽい
質感は我慢しなければならなかった。オーディオも純正のままで、ラジオ&カセ
ットをどうしようもなくショボイスピーカーで聴いていたのである。
シート形状はセミバケットタイプで、このデザインは気に入っていた。シフトノブも
なかなか握りやすくて、シフトチェンジが楽しいクルマだったが、いかにもゴムっ
ぽいブーツはデザインはOKなのだが、ブーツ自体をむんずと握るとそれに隠され
た貧弱なパイプが1本あるだけで(当然なのだが)、思わずため息が漏れた。

こいつでの遠出で印象に残っているのは「京都・金沢行」で、カミさんが通った京都
の幼稚園を探してみたり、夜の北陸道をひた走ったのを覚えている。

というわけで、全体的には自分の身の丈に合ったいいクルマだったといえる。
後にこのマシンは、実家でやはりファミリアを買うための下取り車になるのだが、
ワタナベのホイールをつけたまま嫁入りさせてしまったようである。迂闊であった。

~ ちなみにこのマシンのことを 「ファミぞーくん」 と呼んでいた ~

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