« ♪世界の恋人(SONG by SINGERS THREE) 【1977】 | トップページ | 犬神家の一族 ~♪愛のバラード以外のメモ~ »

♪愛のバラード ~平成版での取扱いについて~

先日、『犬神家の一族』をレイトショーで観て来た。

で、感想はというと、

想い出のままにしておきたかったなぁ・・・

********************

さて、♪愛のバラード についてであるが、私の予想は
半分アタリ半分ハズレであった。

音楽 谷川賢作
テーマ音楽 大野雄二

********************

冒頭のタイトル部分について、おおよそ次のとおりである。

金田一、那須に現る
①♪前作大野氏の曲を谷川氏が編曲

 ↓

タイトルロール
♪愛のバラード(大野オリジナル)
    やはり前奏なし、前作とは編集部分が違う
    ① から谷川氏のアレンジで ② につながれる 
    2回くらい金田一のストップモーションが挿入される
     
 ↓

旅館の女中と出くわす
③ ①と同じ曲(谷川アレンジ)が流れる

前作では臨終シーンの直後にタイトルロールがきて、静寂を破るよう
に バーン!と大迫力の♪愛のバラード が流れ出すのだが、新作では
つまりタイトルロールの挿入位置がやや後ろにずれたわけである。
だから今回臨終シーンが終わり画面が真っ暗になった瞬間、息をのん
で♪愛のバラード を待っていた私は、ズッコケた。
悪い意味ではなく、やられた!という感じである。

例の「楽曲切り継ぎ事件」については、今回解決されていたのかと
いえば(解決もなにもないもんだが) よくわからなかったというのが
本当のところである。
編集はされていたものの、それが昭和当時に大野氏が何パターン
か用意していたといわれるバージョンだったのかどうかを確認するこ
とはできないが、今回の制作にあたってソレを血眼で探し出して使
うほどの熱意みたいなものは無さそうな気はする。

********************

ほかには 「ボート浸水事件」 を目の当たりにした金田一が湖へ駆け
つけるシーンでは、やはり前作の大野氏のオリジナル 「市原康 (ds)
のフリードラミング → 松木恒秀 (g) 非常事態リフ」 がこれでもかと
緊迫感を煽る。

おいおい、そのまま使ってるやんけーーー!

このシーン以降、本編では♪愛のバラード のヴァリエーション(谷川
アレンジ)が何回か挿入される以外は、谷川オリジナルと思われる曲
が流れていく。カミさん曰く、ヒーリングミュージックみたい・・・

********************

金田一が那須を去る段になって、見送られるのが苦手だなんだという
やりとりのあたりで、私は 「よし、これで終わりだろう・・・」 と、前作の
タイミングでの心づもりをしていた。

すると音楽のヴォリュームが一段上がって、最後にまた♪愛のバラード
が始まったのである。 フルオーケストラの演奏が鳴っている。

大野オリジナルか?

・・・何かが違う・・・

横で観ていたカミさんまで 「これは大野雄二のじゃないよね?」
と言う。

果たして、これが谷川賢作氏が大野アレンジをなぞった♪愛のバラード
なのであった。 ほぼ同じスコアを使ったのだともいえるが、バンマスは
谷川氏だろうから、「谷川ヴァージョン」 である。まぁよく出来ている。
ただストリングスの具合が違うから、別作品と判る。

そうなると、冒頭で大野オリジナルを使用した以上、谷川ヴァージョン
を作り分けてまで(本編中のテーマヴァリエーションは理解できる)
それをラストで流す意味合いは何なのだろうという謎が浮上してくる。
エンディングでも、タイトルロールと同様に大野オリジナルを編集加工
して流せば事は済むのに。

*********************

私の推測はこうである。
「ラストに流れること」 ではなく 「作り分けること」 に意味があった
のではないか。それは別段難しい理由ではなく、サントラとして格好
をつけておく、程度のことなのではないか。
つまるところ商売上の理由である。

平成版サントラ盤に大野オリジナルを入れるわけにはいかない。
平成版の音楽はあくまで谷川賢作氏によるものである。
しかし平成版にフルオーケストラヴァージョンの ♪愛のバラードが
入らないのも格好がつかないのである、商売上ね♪

続きがある。

昭和版サントラは90年代半ばに一度CD化されており、その時私は
男気のある会社もあるもんだと感激したが、今回のサントラはリスク
もなく堂々と市場に出回るわけである。しかも、昭和版の復刻と併せ
て2枚組である。

つまりだ、冒頭で大野オリジナルを挿入することによってサントラを2枚組
にする理由が出来上がるわけである。 加えて昭和版に当時収録されなか
った劇伴も追加されるそうなので、ソンはさせまへんで~、ということなの
だろう。

ボーナストラック追加の件は私みたいな人間にはまことにありがたいが、
一般の正常な方にはわかりにくい話かもしれない。私としては本当は
昭和版のボーナストラックだけ1曲300円で買いたいくらいなのであ
るが、平成版も併せてお買い上げ~♪ということになりそうである。
(逆なんですけどね)

********************

平成版での♪愛のバラード の取扱いについての印象。

この映画の象徴として使われたものの、どこか中途半端に、記号的に添え
られただけの印象がどうにも拭えなかった。
昭和版は映画制作と音楽制作のウェイトバランスが画期的だったが、セル
フリメイクで、しかも音楽制作スタッフの違う平成版ではそういうわけには
いかなかったということだろう。 与条件があまりにも違う。

キネマ旬報によれば、一瀬プロデューサーが ♪愛のバラード を使うことを
最初から決めていたようだが、そのこと自体が既に
「 記号的に使うんだよ 」
ということなのである。

いや、「記号的にしか使えない」 といった方が正しいかもしれない。

最初からわかっていたことである。
私が迂闊であった。

前作に特に思い入れがなかったり、今作で初めて観る客はこのテーマを
どんな風にきいたのだろうか。

スタッフの表記も、

音楽 大野雄二
音楽監督・編曲 谷川賢作 

のようなものならしっくりいくのだが、そうもいかない。
だいいち、例のスタッフロールでの収まりがわるい。

*******************

結局、谷川氏の音楽については、、、、、

よくわかりませんでした。スミマセン。

*******************

・・・しっかし映画鑑賞どころではなかった。
せっかくの娯楽大作なのに 「照合作業」 に追われてしまった。
楽しいような面倒くさいようなちょっと悲しいような、そんな気分だった。

だらだらと書いてしまったので、映画自体の 「照合作業」 については改め
て記すことにしたい。

.

.

|

« ♪世界の恋人(SONG by SINGERS THREE) 【1977】 | トップページ | 犬神家の一族 ~♪愛のバラード以外のメモ~ »

コメント

リメイク版で「愛バラ」がどういう使われ方をしているのか気になってたんですが、いまひとつ映画館に足を運ぶ気にもなれなかったため、貴重な情報です。レポートありがとうございました(笑)

でも、最期に盛大に「愛バラ」が流れるなんて、やっぱりこの曲は欠かせない名曲なんでしょうね。ストリングスが違う平成版、今度聴いてみたいです。

投稿: N郎♪ | 2006.12.28 02:18

N郎♪様
もう邦画音楽のスタンダードでしょうね。
実際に観に行くかはよ~くお考えになったほうが・・・(笑) 残念ながら不発気味のようで上映終了もそう遠くないかもしれません。そして来年の終わり頃、「早くもテレビに初登場!byTBS」なんてことになろうかと・・・

投稿: FLAT4 | 2006.12.28 09:36

こんばんは♪
旧年中に見に行くという目標にはすべり込みセーフだったのですが、諸事情で感想をアップできずにいるところです。
『テーマ 大野…、音楽 谷川…』とあるのでオリジナルから使われるのは「愛のバラード」とそのアレンジだけかと思っていた私は、このたびのテーマへとつながる“前奏”には正直ずっこけました。死語も死語だけど、まさしくずっこけました。
スタッフの表記については、まさしくFLAT4さんの書かれたようにすべきですよね。
谷川氏の音楽は……「やっぱ『八つ墓村』の(音楽の)人だよねー」という印象でしょうか。氏にとってはしんどい仕事だったでしょうねぇ。オリジナルの大野雄二に対してとは全く違う意味で“心境はいかばかりか”と思ってしまいます。

投稿: ぐれた | 2007.01.11 23:18

ぐれたさん、ご覧になりましたか♪
で、やっぱりズッコケましたね(笑)
おっしゃるとおりで、谷川氏はやりにくかったでしょうねえ。 テーマから何から全くの「どフリー」で犬神仕事をしたかったかもしれませんが、♪愛バラを外したら犬神ではなくなりそうですから、なんとも・・・
とにかく大野オリジナルの素晴らしさを再認識させられますね。

投稿: FLAT4 | 2007.01.12 17:59

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ♪愛のバラード ~平成版での取扱いについて~:

» 『犬神家の一族(2006)』 [唐揚げ大好き!]
  『犬神家の一族(2006)』   金田一さん、事件ですよ――   1976年、角川映画第1弾として公開された『犬神家の一族』、当時はポスターにV字開脚の画がデン!と載っていてインパクトを覚えた記憶があります。 他にも佐清マスクとか生首菊人形とか・・... [続きを読む]

受信: 2007.01.25 06:06

« ♪世界の恋人(SONG by SINGERS THREE) 【1977】 | トップページ | 犬神家の一族 ~♪愛のバラード以外のメモ~ »