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♪Mr.サマータイム  【1978】

 ♪ゆうわくの~ あついすな~

なんなんだ、ゆうわくのあついすな って?
小学生の自分は 眩暈がするような気がした。
誘惑の? 熱い砂?

考えても考えても、今でも解釈しきれない長年の謎である。

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♪Mr.サマータイム で思い出すのは、夏に行ったプールの記憶。

どこかの美女とまったり過ごしたリゾート地のプールではない。
ガキの頃に友達と行った市民プールである。
ファンタ ゴールデングレープの炭酸の泡がはじけていた夏、
小平の萩山プールでも府中の市民プールでもこの曲が流れていた。

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作詞 Pierre Delanoe / 作曲 Michel Fugain
日本語詞 竜真知子/ 編曲 前田憲男

原曲はシャンソン、♪Une belle histoire (美しい物語)。

日本語の詞は、原曲とはまったく違うハナシになっているが、
しかし竜真知子という人は、本当に色気のある詞を書くお方で、
あま~くソフトフォーカス気味な綴り作法、湿度やや高め。
他の代表的な竜作品、たとえば♪あずさ2号 だとか
♪私のハートはストップモーション なども、
同様のイヤラシサが滲んでいて、私の好みである。

  ♪ Mr.サマータイム
       探さないで あの頃の私を

 

冒頭のこのワンフレーズだけでも相当に甘い、甘すぎる。

だって♪探さないで あの頃の私を・・・ ですよ、奥さん!

そのうえ切ないメロディにスウィートな編曲が施されるもんだから・・
サーカスによるハーモニーが素晴らしいのはもちろんだが、
なにしろ曲に力があるので、化粧品のCMソングにならなくても
相応にヒットはしたのではないかと思う。
この曲での前田御大による 魅惑のオーケストレーションは、
おフレンチな原曲をメロウボッサに、それも新人コーラスグループに
託せるレベルに仕上げている点だけをみても、
当時の本邦音楽界の結構な力量を示すものだろう。 

この前奏ったら、一気に溶ろかすよな 気だるいムード満点、
下世話な妄想でまことに申し訳ないが、
妙に艶かしい女の人が後ろから無邪気にヒザカックンを仕掛けてきて、
そのままへナ~と砂浜にめり込んでしまうような力の抜けよう、、、
とでも言おうか。  チガウカ。
メロウなブラスセクションには数原晋と思われるトランペットが
よくきこえ、相当に甘ったるく仕上がっている。
バックに波打つ叙景的なストリングスもどこかのビーチを連想させ、
舞台装置はバッチリ、お歌に入る準備は万全だ。
これ以外にないイントロ。

実際ハズしていないんだけれど、ややルーズにも聞こえるドラム、
これに絡むベースが 聴きようによっては EW&Fっぽくもあり、
誰が弾いてんだろ? とミディアムスローの黒っぽいノリが心地よい。
途中ほんの一瞬、ものすごくボブ・ジェームスっぽいフレーズが出現し、
自分的には一番のツボである(1’14”~1’17” の3秒間)。

リズムは一貫してボサノバ基調で進行してゆくが、
同じくボサノバに乗っかり 同じく過去につながる歌詞である
「♪あの日にかえりたい」 とはまた異質な感じがするのは、
こちらがリゾートっぽいというか完全にリゾートミュージックなので、
そのへんの 「現在地」 の違いがその理由だろう。

それと、これは結構大事なところだと思うのだが、
曲全体を通して歌も伴奏も残響エフェクトの具合がハンパでなく、
この濡れ具合がまたいい感じなのである。
アナログ機器時代末期の 「精一杯の効果」 が結実している。

それにしてもサーカスの実力はデビュー当時から凄かったのだと
思い知らされる。ハーモニーの様相が刻々と変化する難しげな
コーラスアレンジに完全に対応しており、難しさを感じさせない。
改めて聴くと叶正子のヴォーカルが かなり舌っ足らずな感じで、
子供の頃に受けた えらく Hっぽい印象はソレが原因であることを知る。
まぁいまでも かなり好きではある。

*******

再評価という言葉は、
「実は前々からそう思っていたんだョ」みたいな、
なんというのか泉麻人的な小利口な感じを漂わせる、
わたくしの大嫌いな言葉なのだが、
この楽曲に関しては積極的に再評価しておかないと
相当な罰が当たりそうな気がする。

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コメント

ウェブで公開したくないのですが、このイントロのトランペットは 一番初めに録音したバージョンは 数原晋さんですよ。
ご本人が そのようにおっしゃっていました。
何か違いますよね。
歌い方とか 音質とか。

                               

投稿: るーちゃん | 2009.02.17 09:17

るーちゃん様、貴重な情報ありがとうございました。 やはり数原さんの音でしたか(嬉
独特の音色を持っている、ってのは本当に凄いことなのだと思います。前田さんが "国際級の音色" と評し、長くウインドブレイカーズで共演している理由もそこにあるのでしょうね。

投稿: FLAT4 | 2009.02.17 10:11

音をお聴きになっただけで 演奏者がおわかりになるのですか!!
すごいですね!!
個人的には 研ナオコの「夏をあきらめて」のフリューゲル、 中森明菜の「サザンウィンド」、小泉今日子の「艶姿ナミダ娘」、昔ジョディー・フォスターが出演していたカフェラッテのCMのBGM クレモンティーヌの「JEREMIE」のソロ等も数原晋さんの音がさえていて 好きです。
長々と すみません。

投稿: るーちゃん | 2009.02.17 21:47

いや実は私なぞなんとなく 「っぽい」 なあと思うだけで、聞いただけではわからないんですよ。
それにしても!!あれもこれも数原さんなんですね。凄い出没頻度! 数原さんのHPを拝見するとご自分でも把握しきれてないようで(笑

投稿: FLAT4 | 2009.02.19 18:43

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