音楽

♪SUPER EXPRESS 109 【1975】

完全にツボだ(笑涙    ローズピアノの音色にも何も言うことはない。

関連記事 ♪『新幹線殺人事件』のテーマ 【1977】
       「新幹線大爆破」の音楽は青山八郎 (ぐれたさんのブログより)

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♪雨のウェンズデイ 【1981】

作詩 松本隆  /  作曲 大瀧詠一  /  編曲 多羅尾伴内

A  LONG  V・A・C・A・T・I・O・N
のなかでいちばん好きな曲。

詩、曲、編曲、歌唱、演奏、
すべてにおいて相当に湿度が高い。
吉田保謹製、極上音質。

イントロからなにから磨かれた音なのに、
どこか薄青いヴェールが掛かっているように聞こえる風。
ギターもピアノもドラムもベースもラテン楽器の数々も
程よく濡れて、本当に良い音がする。

他の曲ではあえて多くのミュージシャンを投入し、
演奏者の個性を打ち消しあって、
それを大きな効果(いわゆる オトノカベ)に結びつけているけれども、
この曲とあと1曲はバンド編成での録音をしたというから、
なるほど合点のゆく音がしている。
林立夫のスネアがはじける度に、雨粒が砕け散るような感覚がある。
また "♪wow wow Wednesday" の前後にきこえる 起伏のある
ベースのリフが、絶え間なく寄せる波のうねりを想起させ、
「僕」 の平坦な感情に少しずつ凹凸をつけてゆくようだ。

出だしは F#m7、全体的に絶妙な明度を保ちながら展開され、
ちょっと炭酸の抜けたサイダーっぽい感じを味わっていると、
途中ほんの少しだけ ひどくメジャーなコードが現れて、
雨模様の雲間から一瞬 陽が射すのを感じる仕掛けになっている。
なんというからくり人形師。

*******

発売当時リアルタイムで聴いたときの強烈な満足感、幸福感が
いまだ持続し、その時に描いた 「絵」 はいまも変わらない。

「壊れかけたワーゲン」 は空冷フラット4のビートル以外に
あり得ず、またそのボンネットに腰かけてしまうくらいだから
きっと自己所有なのだろう。
色はごく淡いブルー、ボディの艶が消えかかっており、
ワックスも効いていないからベターッと濡れていて
もしかしたら所々サビも浮いているかもしれないが、
決して海辺にうち棄てられた寂しい物件ではないだろう。
この主人公はクルマへの執着がさほどなくて、
中古で仕入れて日常の道具のように使っていると思われる。
このワーゲンが 「壊れかけ」 ているのは、
ややもするとどこか具合がわるいようにも聞こえる
古い水平対向エンジンの音からそう感じるのであって、
ここまで海を見に来たのだから 完動品に違いない。

ある水曜日の ある時間を切り取ってみたら、
第三者からみれば それはそれは素敵なシーンなのに、
二人の間に降り続けるあたたかい雨が、
なんだか微妙なその関係を適度に断続させていて、
結局いずれは別れてしまう運命なのだろう。
と、当時の自分は思った。

*******

それにしても 「菫色」 の雨を降らすなんて
ずいぶんとメランコリックな詩を書いたもんです。
まぁ実際のクルマはスバル360だったらしく、
虫つながり、
これはこれでキレイなオチではあります。

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♪Mr.サマータイム  【1978】

 ♪ゆうわくの~ あついすな~

なんなんだ、ゆうわくのあついすな って?
小学生の自分は 眩暈がするような気がした。
誘惑の? 熱い砂?

考えても考えても、今でも解釈しきれない長年の謎である。

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♪Mr.サマータイム で思い出すのは、夏に行ったプールの記憶。

どこかの美女とまったり過ごしたリゾート地のプールではない。
ガキの頃に友達と行った市民プールである。
ファンタ ゴールデングレープの炭酸の泡がはじけていた夏、
小平の萩山プールでも府中の市民プールでもこの曲が流れていた。

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作詞 Pierre Delanoe / 作曲 Michel Fugain
日本語詞 竜真知子/ 編曲 前田憲男

原曲はシャンソン、♪Une belle histoire (美しい物語)。

日本語の詞は、原曲とはまったく違うハナシになっているが、
しかし竜真知子という人は、本当に色気のある詞を書くお方で、
あま~くソフトフォーカス気味な綴り作法、湿度やや高め。
他の代表的な竜作品、たとえば♪あずさ2号 だとか
♪私のハートはストップモーション なども、
同様のイヤラシサが滲んでいて、私の好みである。

  ♪ Mr.サマータイム
       探さないで あの頃の私を

 

冒頭のこのワンフレーズだけでも相当に甘い、甘すぎる。

だって♪探さないで あの頃の私を・・・ ですよ、奥さん!

そのうえ切ないメロディにスウィートな編曲が施されるもんだから・・
サーカスによるハーモニーが素晴らしいのはもちろんだが、
なにしろ曲に力があるので、化粧品のCMソングにならなくても
相応にヒットはしたのではないかと思う。
この曲での前田御大による 魅惑のオーケストレーションは、
おフレンチな原曲をメロウボッサに、それも新人コーラスグループに
託せるレベルに仕上げている点だけをみても、
当時の本邦音楽界の結構な力量を示すものだろう。 

この前奏ったら、一気に溶ろかすよな 気だるいムード満点、
下世話な妄想でまことに申し訳ないが、
妙に艶かしい女の人が後ろから無邪気にヒザカックンを仕掛けてきて、
そのままへナ~と砂浜にめり込んでしまうような力の抜けよう、、、
とでも言おうか。  チガウカ。
メロウなブラスセクションには数原晋と思われるトランペットが
よくきこえ、相当に甘ったるく仕上がっている。
バックに波打つ叙景的なストリングスもどこかのビーチを連想させ、
舞台装置はバッチリ、お歌に入る準備は万全だ。
これ以外にないイントロ。

実際ハズしていないんだけれど、ややルーズにも聞こえるドラム、
これに絡むベースが 聴きようによっては EW&Fっぽくもあり、
誰が弾いてんだろ? とミディアムスローの黒っぽいノリが心地よい。
途中ほんの一瞬、ものすごくボブ・ジェームスっぽいフレーズが出現し、
自分的には一番のツボである(1’14”~1’17” の3秒間)。

リズムは一貫してボサノバ基調で進行してゆくが、
同じくボサノバに乗っかり 同じく過去につながる歌詞である
「♪あの日にかえりたい」 とはまた異質な感じがするのは、
こちらがリゾートっぽいというか完全にリゾートミュージックなので、
そのへんの 「現在地」 の違いがその理由だろう。

それと、これは結構大事なところだと思うのだが、
曲全体を通して歌も伴奏も残響エフェクトの具合がハンパでなく、
この濡れ具合がまたいい感じなのである。
アナログ機器時代末期の 「精一杯の効果」 が結実している。

それにしてもサーカスの実力はデビュー当時から凄かったのだと
思い知らされる。ハーモニーの様相が刻々と変化する難しげな
コーラスアレンジに完全に対応しており、難しさを感じさせない。
改めて聴くと叶正子のヴォーカルが かなり舌っ足らずな感じで、
子供の頃に受けた えらく Hっぽい印象はソレが原因であることを知る。
まぁいまでも かなり好きではある。

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再評価という言葉は、
「実は前々からそう思っていたんだョ」みたいな、
なんというのか泉麻人的な小利口な感じを漂わせる、
わたくしの大嫌いな言葉なのだが、
この楽曲に関しては積極的に再評価しておかないと
相当な罰が当たりそうな気がする。

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♪人間の証明のテーマ  ~書きそびれ すこし

  「 ママ、ボクがそんなに憎いかい? 」

いや~このセリフで 一気に涙腺の堤防決壊。
私にとってのクライマックスはココ。
「憎いかい?」 の 「か」 を力なく発音するのが、哀れを誘う。

瞼の母親に正面から刺されたジョニーが、さきの言葉を漏らしたあと、
死を決意したように、突き刺さった刃物を自ら内臓の奥深く送り込む。

もうね、こんな残酷なことがあっちゃイカンだろ、見てられませんわ。

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後年 「Made in Y.O」 というセルフカバー曲中心のアルバムで同曲の
リメイクを試みている。新作はアレンジ上 A.ギターが前面に出ており、
またハーモニカとストリングスの豊かな音色と相まって、きわめて叙情的
な原曲にくらべ、より叙景的で色彩感もはるかに上回っている。年季が
入って深みを増した T.スナイダー の歌唱もなかなかで、旧作とはまた
別の味わいがある。
ただやはりオリジナルの持つ熱、溢れ出るエネルギーに触れてしまうと、
岡田茉莉子と松田優作、ハナ肇が対峙する夜明けの霧積山中(註) の
光景がパブロフの犬状態でフェードインしてくる昭和Ver.への思い入れを
より強くしてしまうのである。

(註) ロケ地は長野・小谷村の牧場

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ふと思い出したのだが、渡瀬恒彦主演の映画 『恐竜・怪鳥の伝説』 (1977)
の挿入歌に宮永英一が歌う 『♪遠い血の伝説』 というのがあって、これが
また絶望的なまでの哀愁を漂わす佳曲であり、宮永の艶やかでのびのある
ボーカルが素晴らしく、オケのグルーヴ具合といい、録音の状態といい、
『♪人間の証明のテーマ』 に非常に雰囲気が似ているため、調べてみたら
なるほど、こちらのエンジニアも伊豫部氏だった。

なお、映画の方は 恐竜モノというより、和製UMAホラーパニックモノで、
かつて数多く製作され現代では放送不可とされる 「封印系ストーリー」 の
匂いがしたけれど、これはフツーにDVDで販売されている。いつだかTVで
やっていて、見終わったあとの「やっちゃった感」がハンパではなく、作品
に透けて見える 堂々たる製作態度が見事すぎて、逆に感動する(笑

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♪人間の証明 のテーマ 【1977】

横川駅にたむろする峠の青いシェルパたちの姿を横目に、国道から碓氷
バイパスには入らず旧道にそれる。
中山道が坂本宿を貫き、碓氷峠に向けてにわかに深山の気配を濃くする
あたり、霧積川に沿う温泉への細道に分け入る。川のせせらぎと鳥のさえ
ずりしか聞こえないフィトンチッドの海が広がる。

  ♪ Mama,  do you remember
                     the old straw hat you gave to me~

*********

作詩: 西條八十 / 英詩: 角川春樹・ジョー山中 / 作編曲: 大野雄二
 

この作家陣構成がなにやらわかりにくいが、西條八十の詩をモチーフに
英詩化、メロディがついたわけであって、原詩での歌唱ではないから、
この楽曲に関しての「作詩」というのは少々キビシイ感じがする。
とはいえこの 『ぼくの帽子』 に映画の主題を織り込んだ英詩としては、
これ以外にないのではないかと思わせる。

とくに冒頭の "♪Mama do you remember~" の部分は簡潔にして秀逸
だと思う。ブツ切り英語だと誰かが言っていたが、それはどうでもよい。
(ブツ切り英語って何だろ?)

******************

  Yuji Ohno & His Project

     大野雄二 (ep)
       市原康 (ds)
         後藤次利 (b)
           松木恒秀 (ag)     
             石間秀樹 (eg)
               篠原信彦 (hamond.O)
                 栗林稔 (pf)
                   穴井忠臣 (perc)
                     ジョー山中 (vo)

まずもってこのメンツが大変珍しいのだが、録音当時の現場の様子が
エンジニアの 伊豫部富治氏のHPに記されている。非常に生々しくて
ステキな現場だが、これを目にして一番気になるのは・・・
一旦帰りかけた後藤次利が どんな顔して戻ってきたかである(笑

そんな空気の中の一発OK ラストテイクが、全国の劇場のスピーカー
を鳴らしたというのが、なんとも興味深い。
まあ実際にはこのラストテイクは、サントラ盤に収録されシングルカッ
トされたテイクのことで、映画本編中のクライマックス(岡田茉莉子が
帽子を放つシーン)で流れたものとはまた別モノなのだが、なにしろ
演奏の緊張感が物凄い。ぜひ居住まいを正してから聴きたい。

前奏のピアノにジョー山中の声が乗り、リズムの後藤&市原が滑り
込んでくるあたり、伊豫部氏によって明かされたエピソードを知らなく
とも、ミュージシャンたちの精神集中を感じ取れる。
若い後藤のベースは繊細かつ大胆で、細かい一音一音がたいへん
意味深い感じがするし、これにからむ市原のドラムのチューニングは
『犬神家~』 辺りから80年代初頭までの大野サウンド絶頂期を彩る
特徴的なソリッド感にあふれており、その懐深い音色に心囚われる。

実際にはそんなことはないのだが 「ハシったりモタったりのうねり」
みたいな味わいが楽曲の端々に行き渡っており、それが母親への
想いを抑え切れなかった若者の姿にシンクロしてくるようだ。
彼の母親に対する愛情表現がストレートであればあるほど不器用で
あればあるほど、結末のやるせなさが増幅されるけれど、そんなとこ
ろは計算ずくであろう、間奏に挿入される石間のストレートでバタ臭い
ギターソロが見事に Johnny Hayward を演じている。

穴井忠臣のラテンはこれまた精神的な痛みや葛藤といった内面的な
表現、心の内側をなぞるようなプレイを聴かせ、制約の中での奔放な
コンガはどこか民族的な鎮魂の踊りを思わせる。この物語の主題とも
なる 「血」や「縁」といった人間の本能的な結びつきを、じつは最もよく
表現しているのが、ぺぺ穴井のコンガであろう。

サントラ盤収録の他曲にもウェットなものがあるけれど、このテーマは
それらの比ではなく、かなりどっぷりと感情の湖水に浸かっていて、
ビショビショである。濡れているかどうかはともかく、「魂の演奏」という
形容が相応しいように思う。

サントラ盤ではこのテーマの次に "♪霧積温泉への道" という曲が配置
されているのだが、弦の上をしなやかにすべる指が見えるようなべース
のリフに導かれるように展開される非常に開放的で、緑色の風を感じる
ナンバーであり、先のテーマ曲が残した精神的な湿り気をサッと乾かし
ていくようだ。

*******

映画、人間の証明。
「映画とはゲイジュツである」 という四角いヒト向きには出来ていないの
だが、基本的に娯楽モノ一般ウェルカムな私からすれば、大変面白い
作品である。 夢のような豪華キャストからも 間違いなく娯楽超大作(笑 

で、劇場予告編を観る機会があった。
劇中のジョニー・ヘイワードの子供時代を演じたジョー山中のホントの
息子さんの顔アップをバックに 「人間の証明」 のタイトルロゴが画面下
方からグイッグイッといくつも出てくるシーンで、それは終わる。
またその子の表情といったら、それはそれは言い知れぬ哀しみにあふ
れていて、まるでこの物語の肝はおさえてますよ、といった風情である。

*******

六角風呂に入ろうと、きりづみ館に行った。
平日だったので他に客もおらず、がらんとした霧積の湯に浸かった。

ほかにもう一軒旅館があるだけで何もないところではあるが、明治の頃
には40軒以上の旅館が建ち並ぶ一大避暑地だったという。軽井沢開発
以前、多くの人で賑わったというのがにわかには信じがたく、中山道を
逸れてここまでの細道の情景を思うにつけ、想像ができない。かつての
栄華の痕跡そのものがなくて、イメージが湧かないのである。
1910年に起こった山津波でリゾート地ひとつまるごと壊滅したというわけ
で、どこかポンペイの話のようでもあるが、埋まったまま出てこないという
のが、そこには確かにあったのだという昔話の物語性をふくらませている。
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当時の人力車の破れた幌でも落ちていないかと草むした地面に目を凝ら
してみたが、何も落ちていないかわりに、蟻の群れが干からびた尺取虫
を運搬するのが見えた。

幼い西條八十の帽子をさらっていった風がどのあたりで吹いたのか、
私としてはそちらのほうも気になる。       
                                (1993年盛夏)

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♪Morning Dance 【1979】

いつものNACK5スタジアム大宮。
試合前のオーロラビジョンに映し出されるいくつもの各種PV。
防犯意識向上の呼びかけだのエコ活動啓蒙だの、
たいへん申し訳ないが今更目新しいものではなく、
それより手元のラーメンをひたすらすする。

そして、ふと聞こえるスティールドラムの音色。

?????

思わぬ場所で "Morning Dance " のイントロに出くわしちゃった
もんだから一瞬ハテナマークが頭の中に増殖したけれど、
何かの広報PVのBGとして流れているのだと確認し、
こんどはフツーに聴き入る。

しかしなぜこんなとこで "Spyro Gyra " が。
アウェー会場で耳にするのはどうにもカシオペアの曲が多いのだが、
スパイロの曲は初耳である。ここはホーム、NACK5スタジアム。

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MUSIC BY  Jay Beckenstein(as)

なぜに、どうしてスティールドラムから始まるのだ、この曲は?
これに続くふんわりしたA,Sax、そして出現するマリンバの音色。
初めて味わうこの楽器構成は ハテどこから来たもんだろかと
しばらく呆然ときいていた記憶がある。大昔のハナシ。
凶暴性のカケラも見当たらない穏やかでハッピーでキャッチーな
サウンドは、聞く者の心の間口をやんわり広げる力がある。

モロにラテンフレイバー、カリプソのスパイス効きまくりのこんな
曲を演るグループは、どう考えたってラテンアメリカ方面だろうと
思っていたのに、実はNYの御一行様と知った時はずいぶん驚いた。

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いちばん好きな曲はほかにあって、なんといってもコレ。

  ♪ CAPTAIN KARMA
       ( album " RITES OF SUMMER " 収録  1988 )

T.Schuman(key)  の手によるスパイロサウンドは進化を重ね、
ラテン領域からお膝元のNYにかなり近づいて先鋭的な印象が強く
なったものの、スパイロ基本テンプレ準拠は永遠のお約束である。
そして曲の半ばにちょっとした仕掛けがあって、スリリングかつ
マジカルなリズムセクションが、何事もなかったかのように平然と
演じてゆくのだけれど、初めて聴いたときにはココがドツボであった。

*******

フュージョンの世界ではこのグループがメインストリームの文脈上で
語られることは多くはないのだが、まあわかる人がわかれば良い、
というのもあるのだけれど、やはり日本では過小評価に過ぎると思う
のである。
個人のテクニックに過度に依拠することのない、バンドアンサンブル
のバランスの良さを聴くにつけ、本当に素晴らしいグループであるから、
出来れば若い音楽好きに聴いてほしい・・・ そう思う今日この頃。

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かつての上司はギタリスト

お世話になったMさんが定年退職になったというので
有志でもってそのお疲れさまパーティを開いたら、
年末にもかかわらず結構な参加者がいて、
Mさんの集客力にはビックリ。

*******

その席で、以前社内で一緒にバンドを組んでいた人間が
なんとなく集まって立ち話。
過去のレパートリーを挙げたりして盛り上がる。

川崎の元ヤンで親戚に有名漫画家がいるY氏(g)、
私の大学の先輩で口から先に生まれてきたようなT氏(ds, g)、
そして私(b)。
Sちゃん(vo, key)は受付席にずっと張り付いている。

T氏 「 Yさん、いまでも天龍のテーマ 弾いちゃうでしょ? 」
Y氏 「 あれはドラムはリズムボックスにして、お前も弾いたじゃん 」
T氏 「 ツインギター。あんときは叩かなかったですかね 」
私  「 Tさんはべシャリが完全に向谷実でしたね、ドラムだけど 」
T氏 「 出過ぎなドラム(笑)」
私  「 そのお腹も向谷実 」
T氏 「 それを言うな 」
Y氏 「 それで思い出したけど・・」

Y氏の奥さんは超がつくキレイな人で(本文とは無関係)、
ご近所ではなく、別な何かの奥さん同士の集まりのときに、
それぞれのダンナが何か楽器をやってる、ってな話を
していたんそうだ。 それで ある奥さまとお互いに、
「ウチのダンナはギターを弾く」 ってなったので、
いつか一緒にバンドでもやったら面白いわね オホホホ・・

まあそんな話もあるだろうよ、と聞いていたけれど、
驚愕のオチがあった。

次の正月に先方の奥さんから年賀状が届いたそうだ。
よくある苗字だったらしいのだが、
ああ、楽器をやるご主人のいる奥さんのね~
と思って差出人をみたら、カッコ書きで、

( ● 呂 ● 生 )

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Y氏によれば、共演はお断りした、そうである。

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♪LOVE TOGETHER ~Produced by 筒美京平&NONA REEVES 【2000】

ノーナのVo.が大宮ファンだとは知らなんだ。

アルディージャの音楽をプロデュースするのが、今のぼくの夢だ。

いいんでないの。悪くない話だ。
彼らの音楽的傾向はといえば、
クラブの掲げる【 ORANGE! HAPPY!! FOOTBALL!!! 】の
とくに "HAPPY" の部分にカンペキにシンクロする。
かりにもメジャーでプレイしてきたミュージシャン自ら
おれたちの「大宮」の未来を語ってるわけだ。

来季の musical director として託してみたらどうだ。
大宮チャントの傾向とはチト違うけど、
スカパラをステキがる彼のこと、
間違いなく大宮アルディージャに「同期」させるだろう。

大宮フロントよ、大悟を通じて今すぐコンタクトだ。

・・・あ、いや、、ダービーが終わってからでいいです。

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私の敬愛するコンポーザー林哲司の清水エスパルスへの情熱
と同じようなものをちょっと感じたものですから。

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♪堤 智恵子 Quartet Live   ~2008.5.31~

Acoustic House JAMに堤 智恵子(as) のライブを見に行く。
アルトサックスがリーダーの1ホーンカルテットである。
土岐英史を師匠に持つこのお方、大宮・大砂土中出身で伊奈学経由
東京音大行きという、完璧に大宮の人である。

*******

開演 30分前に店に入り、案内された席に着くと、
隣のテーブルではプレイヤーが演奏の打合せをしていた。
どういうわけか4人のうち3人がオレンジ基調、
もしくはオレンジアクセントの服を着ている。
皆さん気が利いているというのか、気分が良い。

*******

 堤 智恵子 Quartet
   
堤 智恵子 (as,ss)
     佐久間優子 (pf)
       清水昭好 (b)
         小山田和正 (ds)
            

-1st SET-
1.Take the 'A' Train (A列車で行こう)
2.異邦人
3.The Shadow Of Your Smile (いそしぎ)
4.Isn't She Lovely
5.Sun Flowers -I Girasoli- (ひまわり)
6.Caravan

-2nd SET-
1.This Could Be The Start Of Something Big
2.まちぶせ
3.Samba de Orfeu (オルフェのサンバ)
4.Summer Time
5.When You Wish upon a Star (星に願いを)
6.A Night in Tunisia (チュニジアの夜)

-アンコール-
Garota de Ipanema (イパネマの娘)

*******

素晴らしい演奏だった。

今日の堤さんのアルトはといえば、ブロウの地力もさることながら一音一音が朗々と
粒立っており、何よりお人形さんのように両足をそろえて吹く様子が可愛いらしい。
基本はアルト、曲によってカーヴドソプラノに持ち替えるが、このあたり土岐英史仕込
みを感じさせる。疾走感溢れるそのプレイスタイルは、お師匠さんのチキンシャック
時代を想起させ大変興味深い。アドリブのスケールも大きく前向きで、イジイジ後ろ
にスっこまない楽しさがある。テクニックも確かだし、ラテン方面にはまた特段の強さ
があり、スローバラードも上手くて何も言うことはない。
テーマの部分をかなりカッチリ吹くのが印象的で、コレによりアドリブをバリバリ吹いて
見せる部分が際立つ。男まさりなんていうと怒られるが、相当にパワフルで心地よい
圧力を感じるプレイをひたすら堪能させてもらった。
またMCも慣れたもので、喋りだすと普通のおねーさんに変身、で、オモロイこと言う。
この日は堤さんの出身中学の吹奏楽の先輩後輩が見に来ていて、恩師の方を囲んで
終始賑やか也。イイですわ、こういうの。

ピアノの佐久間さんは見るからに華奢で 「お嫁さんにしたい女優」 的な雰囲気を
漂わせるが、さすがにそこは気鋭のジャズメン(?)、それはもうダイナミックで
カッコいいフレーズをこれでもかと弾いてくる。加えて演奏中に作り出す 「間」 が
素晴らしく、共演者はやりやすいんだろうなあ。 えらく楽しそうに弾いてるし♪
あの細い指先の繊細なタッチからあれだけ豪快な音が出てくるのが不思議だが、
ときに居住まい正して流麗かつ端正な音を響かせる一方で、ペダルを踏まない
右足が宙をやんちゃにキックしたりする。 意外と「ノリ」の人なのかもしれない。

ベースとドラムは見るからに若く、見た目通りのフレッシュなリズムを刻む。
清水氏は大学の研究室に出入りしていそうな理知的な佇まいで、ベーシストっぽく
見えないのが新鮮。それでいて弾き始めると・・ やはり理知的なベースに聴こえる。
で、調べたらやっぱり工学部出なのですね、ゼッタイ理系だと睨んでましたよ。
それでもあるとき物凄いベースランニングで前のめりに弾き倒すが、スインガー
タイプのベーシストとでもいっていいのか、全体を見渡しながら音の出る大きな
振り子で 堤4 を揺らしているかのようだ。 このスイッチのON・OFF具合が見所。

ドラムの小山田氏、東大大学院にいて現在●年生とのこと、スゲー! 
堤嬢から 「親不孝者」 とからかわれていた(笑)、うなずけなくもないですが・・・
昼は歯科医で夜ドラマーといえば村田憲一郎 (ds) だが、よし目指せ、昼は学者で
夜ドラマー。まあ Jazz Musician なぞ、昔っから勉学もソコソコに、ライブにちょこ
ちょこ出演したりするうちにそのままプロになっちゃった人も多いんだから、それこ
そ王道かもしれないですね。
「何か」 を確かめるかのように左上斜め 45°辺りの虚空を見つめ、時折ニヤリと
意味ありげな笑みを浮かべつつ、ステディなリズムをキープ。しばらく大人しくして
いたかと思うと突然パンチの効いた一撃を繰り出したり、見ているだけでもなかなか
楽しめるドラマー。 ポテンシャル高し。

*******

この日は、ウチの子にプロの演奏を聴かせるために連れていった。
やっぱり凄すぎるプレイに、最初はしばらくカタまっていた(笑

相席の紳士と話すうちに、ご本人からCDを買うことになり、堤さんを呼び止めて、
ウチの子からサインと握手をお願いした。さっきまでバリバリ吹いていたプロの
ミュージシャンにニコニコ優しく接してもらい、部活ではアルト吹きの彼にエールを
頂いたり、子供にはちょっと刺激的な夜だったかもしれない。

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♪『新幹線殺人事件』のテーマ 【1977】

時は昭和52年、森村誠一原作の 『新幹線殺人事件』 が舛田利雄監督のメガホン
でドラマ化された。これがかの土曜ワイド劇場の第三回放映作品である。
'77年7月16日、テレビ朝日系にて放映。

  監督:舛田利雄
   脚本:猪又憲吾
    音楽:大野雄二
     主演:天地茂

リアルタイムで見た記憶はない。当時の「土ワイ」といえば、子供が見てはいけない
番組のひとつだと自ら視聴制限をかけていた。ある時期から午後に再放送するよう
になり、そこで初めて接するドラマも多かった。

 ↓ 土ワイの台本
0803story_3  .

*******

というわけで、自分としてはまず先に光文社刊の原作 『新幹線殺人事件』 に接する
こととなった。これは書き下ろし作品である。

↓ 背表紙が 色褪せても・・
0803book_3  .

カッパノベルズの表紙挿絵には優れたものが多いが、とくにこの巻は素晴らしい。
時刻表の数字体をバックにアナログレコード盤がギラリと妖艶な光を放つイメージ
で、パーツと配色のバランスが絶妙である。一体どんな物語が詰まっているのだろ
うかと読書欲をそそられたものだ。私は長いこと、この円盤は新幹線車両のディス
クブレーキ一体の車輪なのだと思い込んでいたが、最近間違いに気が付いた。

調べてみればなんと初版が1970年8月で、そんなに古いのかと驚き、自分の本を
見てみると、上梓から10年、 '80年9月の82刷版であった。
巻末には昭和44年10月の時刻表を使った旨付記されているが、この表紙をよくよ
く眺めると、アリバイの構成要素となる二つの列車の時刻がフィーチュアされてい
ることがわかる。当時は新大阪~東京間で3時間10分を要していた。

*******

本題、新幹線殺人事件のテーマ曲。

'77年10月公開の映画 『人間の証明』 の劇伴録音は7月半ばまでに行われており、
おそらくそれと同時期、放映直前の7月上旬の録音と思われる。
やや遅れて10月より放映開始の 『ルパン三世』 は当時まだ見ぬ怪物であった。

バンド + アルトサックス1管 のシンプルな編成。これは制作費における劇伴への
低配分を思わせるが、国内の現代ミステリ物にはこれがかえって相応しい味付け
になっている。おそらくは数時間という限られた時間での録音(劇中曲含めて)だろ
うが、まさに聴き紛うことなき初期 Explosion Band の音であり、そこに漂う空気から
「劇伴制作」 というより、熱気あふれるセッションが想像される。音としてはかなり
黒めのジャズファンクで、犯罪の匂いプンプンミュージック。甘く危険なメロディラインは
すべてアルトが執り、大野のフェンダーローズが飾り立てる。また全体にうす~く
ソリーナっぽいのが被せてある。 コンガの踊り具合といい、市原康独特のハイハット
といい、岡沢章の歌うベースラインといい、サントラでここまでグルーヴしていいのか・・・

曲の始まりから終わりまで新幹線の走行音SEの大洪水が止まらないのはご愛嬌。
やりずぎなくらい・・(笑

↓ 泣く子も黙る、この最強タッグ
0803ed .

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しかし当時映像化された新幹線モノというのは、爆破とか脱線転覆とかどうにも
穏やかでない事態に付き合わされるうえ、先進技術の弱点だの安全運行上の盲点
だのなんだのと、対テロリズムの脆さばかりがクローズアップされたりで、当の国鉄
にとってロクなお話にならない(本作は違うのだが)。そもそもテロの完全な予防など
無理だし、仮にアルカイダの友達の友達である法務大臣様から止めなさいと言われ
たところで、やろうとするヤツはやるに決まっている。

ほぼ同時代の映画 『新幹線大爆破』 や 『動脈列島』 に描かれる時代的背景には
頷ける部分もあるにはあるが、これらの犯行動機について情状を酌む余地はあるも
のの、最終的に企図した犯罪結果の規模に照らせば、いくらなんでもヒドすぎるだろ
と思う。大量殺人は本意ではないはずだが、実際に爆破スイッチをONにしたり、障害
物で脱線転覆を招く作業を実行している点については、全く許し難いものだ。

そうはいっても 『新幹線大爆破』 なんてのはマイフェイバリットムービーであり、
「スリルとサスペンス」という言葉はこの映画のためにあるという気さえする。
映画全体が汗まみれ油まみれなムードに溢れ、こちらのタイトルバックの音楽も
十分にソウルフルで、やはりアルトサックスの咆哮に危険な香りがする。

【参考】 新幹線大爆破 劇場予告

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森村誠一氏の1969年の短編に 『浜名湖東方15キロの地点』 というのがあって、
これがまた新幹線モノなのだが、これを実写化するとなると最後は惨事も大惨事、
超スーパーバッドエンドになってしまう。小説では残酷な結末までは書かれてい
ないものの、最後に寸止め処理がなされ、ある種の猛烈なエクスタシーを感じる
仕掛けになっている。
(光文社刊 鮎川哲也編 『下り"はつかり"』 収録)

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